2010年11月26日金曜日

猫と薔薇の日々(松苗あけみ)

最近、ネコをめぐるエッセー漫画がすごく増えているような気がする。ネコを飼いたい人が多いのか、それともすでに飼っている人が共感したいからなのか。根っからの掃除嫌いとアレルギー性鼻炎のためにネコを飼いたくても飼えない私だが、好きな漫画家さんたちも描いていたので、何冊か読んでみた。その結果「漫画家様も、愛猫の前ではただの飼い主になってしまうのね」と軽い失望を覚えることが多かった。松苗もそうかなあ、と警戒しつつ買ってみると、これがなかなか。何度も読み返す、トイレ常駐漫画になってしまった。

第一にその美しい絵柄に目を奪われる。松苗らしい華やかさと繊細さを備えた扉絵が、ネコの愛らしさとネコとの生活の楽しさを伝えている。そして、松苗がきちんと「私ってネコ馬鹿ね」と自分でツッコミを入れながら描いているところが、読者の腰をひかせないのだと思う。何しろ松苗宅には12匹ものネコがいるのだ。これがただの愛情だだもれのネコ自慢だったら、読者は「ごちそうさま」で終わってしまうだろう。同居する夫に「何匹まで増やすんだ」と叱責されながらも、ネコ愛を貫き通す松苗は潔い。

とにかく、本書は17年で12匹(里子に出したりした子を入れるともっと多い)ものネコとつきあってきた松苗の壮大な記録である。闘病あり、家出あり、出産あり。とにかく盛りだくさんで、そのすべてに徹頭徹尾、愛情もって接する松苗にはただただおそれいる。

(asahi.com)

http://www.asahi.com/showbiz/column/manga_henai/TKY200811200254.html




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